ちょっと昔を思い出すきっかけになることがあって『思い出し怒り』をした。『思い出し笑い』ではなく『思い出し怒り』。
あの時は怒りがフレッシュだったから、どうにもこうにもならなかったけれど、やはり時間が癒すこともあるな~と冷静に感じてみたりもしている。
ああ、懐かしい。あの経験があるから、今がある。
さて、今日はココロノマルシェに寄せられたご相談にお答えしました。
初めまして、KJと申します。
40歳独身男性、東北地方在住で自営業(子供相手のスクール)をしております。
両親は10年前から別居の後離婚、現在は同じく独身の姉と住んでいます。
長文失礼します。
後述するとあるショックな出来事を境に嬉しい、楽しい等の感情を感じられなくなり、何をするにも(風呂や本を見たり、テレビを見たり、など)常に漠然とした恐怖や不安を感じるようになってしまいました。
また、些細な事でもビクッとしてしまうなど、心理的に不安定になりました。
その後2~3か月間は何とか自己啓発本や家族に話を聞いてもらうなど、回復のための自助努力をしていたのですが、
ここ1か月ほどで、心が「もう疲れた」とばかりに無気力になり、朝起きるのもつらい状態となってしまいました。
その出来事というのは、おそらくパニック障害(?)でしょうか。
それまで父の個人会社の経理をしていたのですが、その金策のために10年間、かなりのストレスを抱えてきました。
頑固者の父にはもちろん、姉にも言えずに無理をしていたところ、今年の6月下旬のある日、急に猛烈な不安感と絶望感(もうだめだ!おしまいだ!と追い詰められた感覚)が連続的に襲ってきて、まるでヒューズが飛んだみたいに無表情、無感情に陥り、周りの出来事が遠くに感じる体感がありました。
その日を境に、夜は殆ど自力では寝られなくなってしまいました。
月末の或る晩、夜中に再度パニックを起こし、家族が驚き、救急車を呼んでしまいました。(連れては行かれませんでしたが・・・)
自分では「ああ、もう頭がおかしくなってしまうか、死ぬんだ・・・」と漠然と思いました。
その後、心療内科から睡眠薬を処方され、仕事を1か月休んで、その後も無理のないように少しずつ復帰していきました。
その間も姉に付き合ってもらい、旅行や買い物など、気晴らしをしようとしたのですが、この漠然とした不安感(特に朝起きた時)や、周りとの分離感が拭えないのです。
特に、何をしても「楽しい」という感覚がほぼなくなってしまいました。
今まで楽しかったはずの仕事(子供相手の授業)が、感情が湧かないため苦痛で仕方ありません・・・。
辛いという気持ちは姉に聴いてもらったり、ノートに書き綴るなど、なるべく吐き出すようにはしていますが、心休まる時がありません。
今現在の無感情や恐怖心のきっかけとなったのはおそらく、その6月末のパニック状態になったことなのかな、と考えています。
こういった出来事をトラウマと呼んでいいかはわかりません。
現在はその出来事も頭では「過ぎたこと」と理解しているつもりなのですが、無意識からなのか、不安が止まりません。
特に、何かに集中して、はっと我に返った時に妙な不安感や分離感があります。
パニックが次また来たら・・・というのが怖いわけではありません・・・。
自分でも理由が分からず、困惑しています。
この出来事以降、父の会社の金策もひと段落付き、家族も協力的で、当初のストレスは大幅に減ったはずなのですが・・・。
心理的に見て、このようなトラウマや無意識の恐怖・不安からどのような方法で回復していけるのか、
今後どう向き合ったらよいのかアドバイスを頂きたく、ご一報差し上げました。
このような内容ですがご回答いただければ幸いです。
失礼します。
(KJさんよりご相談)
KJさん、ご相談をお寄せくださってありがとうございます。とあるカウンセラーに「それ、感情が麻痺しているんだよ」と言われるまで気がつかなった山本春野が回答いたします。
とても辛い時期を乗り越えて来られましたね。まだその途中かもしれませんが、ご相談文をお読みする限り、着実に進んでいると思います。
こんな時は、とことん休むというのが一番いいと思います。切れてしまった『思考』と『感情』の線をつなぐためには、まずはとことん休んで、自分で自分を「甘えさせる」のは本当に心地よいものです。やっぱりそれに尽きるかなとも思います。
ただ、それは間違いなのですが、KJさんが(文面からすると)とても冷静にご自分の心の動きを分析されているので、ちょっと違うアプローチでお話させていただきたいと思います。
KJさんが『なぜパニック障害を起こすほど無理をしてがんばってこられたのか』のかは、なにか向かうところがあったのだと思います。それは意識的なことではなく、潜在意識や無意識のところで粛々と行われていたのでしょう。
「そうせざるを得ない」もしくは「どうしてもそうしたかった」理由があったのでしょうね。
それは、KJさんがゆっくりのんびり心に聞いてみるのがいいとは思いますが、間違いなく言えるのは、それは『愛』以外の何物でもないと思います。
もしかしたら「認められたい」「迷惑をかけなくない」「愛されたい」「助けたい」という言葉に表せることもできるかもしれませんし、そう簡単に言葉に直せるものじゃないかもしれません。
その下に脈々と流れているの『愛』です。
ただ、それに気づくことなく心が麻痺してしまうほど、がんばってしまった。無理をしてしまった。そしてそのことはKJさんもよくわかっている。頭で。
ある意味、本当に燃え尽きる前に、ヒューズが飛んで「強制終了」されたことは本当に良かったと思います。話を聞いてくれるご家族がいるのもとてもありがたいことです。自分でなんとかしようと、本を読んだり、思いを書き綴ったりするのもとてもいいですよね。
そうやって、這いずりながらも進んできました。
でも、やっぱり『這いず』っているんですよね。なんとか進んでいる。そりゃ辛いですよ。
こうなってしまったきっかけとか、どうすれば感情が戻るのかとか、不安の正体は?とかそういうことを「考える」ことは悪いことじゃない。でもやっぱりそれでは、心と頭、思考と感情はつながらないんです。
>>この漠然とした不安感(特に朝起きた時)や、周りとの分離感が拭えない
この一文を見て、心が震えました。心臓が早くなりました。私の話です。
漠然とした不安感と分離感。これって『孤独』とは違うと思うんですよね。私が持つ感覚ととても近い気がするんです。だから心が震えたのではないかなと。
寝ている時って「無意識」なんですよ。何をを夢中でやっている時も「無意識」が働いている。そこから一気に『意識』に移行すると、『無意識』の感覚がすっと入ってくるんですよね~。
私は生育歴になにか問題があるわけでもないし、KJさんのように心が落ち込んだという経験があるわけではないのですが、この感覚に長年悩まされています。そしてこれからもお付き合いしていくことにしています。
「なんでこういう感覚があるのか」とか「なにが原因なのか」ということを考えても、その答えは分かるようでわからないものだと思うんですよね。どうしても『原因』は探してしまうものだし、分析だってしたくなります。
でもね、思うんです。これってゼロにはならないなと。だったら、それすらも受け入れてみてはどうかなと。だって「無意識」だもの。仕方がないですよね。
朝、この感覚に襲われると、体も空っぽになったような気がするんじゃないかなと思うんです(私だけかな)。そうなったら、もうそのままを受け入れる。なんで?どうして?どうしたらいいの?とかもう考えない。ただただその不安な気持ちや、世界に自分一人きりだという感覚を感じ切る。抗わない。
そう感じたい自分が自分の中にいるんだと感じ切る。
心の奥底にいるKJさんの感覚に、素直な体が反応しているんだと思います。
涙が出てきたら、とことん泣いてみる。感情に素直になってみる。
ひと段落したんだから、パニック障害ももう大丈夫なんだから、家族も協力してくれているんだから感謝しなきゃ、仕事も楽しまなくちゃ。
そんな風に思っていませんか?
感情はコントロールできるものじゃありません。感情を湧き出せるものではありません。
感情は天気と一緒といいます。
感謝しなくちゃではなく、感謝は勝手に湧いてくるもの。
楽しまなくちゃではなく、楽しいは自然に湧いてくるもの。
そう思えないのであれば、そのままにしておけばいいと思います。月並みだけれども「やまない雨はない」んです。雨の中でできることもある。雨だからこそ見える景色がある。雨は面倒だし、いつでも晴れていて欲しいけれど、それでも雨がないと色々育たないものです。
辛いことを「辛いよね」と心の奥底の自分に寄り添ってみる。
それでも私たちは生きています。
朝起きて、強烈な不安感や、分離感に包まれてしまったら、想像してみてください。
心臓から少しずつ流れていく血を。
ゆっくりと伝って、首を通って頭全体にいきわたって、手に流れ、指先までいく。足の先まで隅々まで温かい血が流れていく。そうやって生きていることを感じてみてください。
そして、呼吸に意識を向けてみてください。吸って吐いてを繰り返して、私たちは生きています。意識したら呼吸を止めることができるのに、私たちは無意識に吸って吐いてを繰り返しています。
そうやって確かに生きているんですよね。
今までも、この体で生きてきたんです。
どうにもならないって思ったこともあったけれど、それでもなんで?どうして?と問いかけながらもここまで生きてきたんです。
そうやって、これからも生きていくんです。
問題を乗り越えて、得られたことってたくさんありますよね。
だったら、この不安感や分離感を感じることで、なにかを得たいとKJさんの無意識が叫んでいるんだと思います。
無意識の声に「ちゃんと聞こえているぞ」と返してあげましょう。
それはやっぱり『思考』では答えが出ないんでしょう。
>>心理的に見て、このようなトラウマや無意識の恐怖・不安からどのような方法で回復していけるのか、
というお答えをズバッと解決できないのがもどかしいですが…。
何かを感じたくて、何かを見つけてほしくて、KJさんの心が話しかけているのだと思いますよ。
未来のKJさんが、過去のKJさんに「大丈夫だよ、この問題があったからこその未来がある」と言えるように、今を生きて、感じてみてください。
すこーーーーしてもいいから「ちょっと楽しいかも」とか「はぁ~心地よい」と感じられることもやってみてくださいね。
的外れな回答でしたら、ご愛敬でお願いします。
少しでも参考になれば幸いです。
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