夫婦関係

介護は本人たちしかわからない何かがある。それはせつなさなのかもしれない

私の腹筋物語は夫を見返してやろう!という気持ちから始まった。

今思えば何を見返すのだろう?結婚十数年…最初から波乱万丈だった…と思うのは私だけで、もしかしたら『普通』なのかもしれないけど。

夫の借金、同居の舅の借金…。私が返しちゃったのは未だに反省と後悔だ。人の借金は代わりに返しちゃいけんね。

結婚生活は、夫と舅が住んでいた団地に私が引っ越す形で始まった。夫の母親は若くして天に召されており、以来、祖父祖母や、おばさんが一緒に住んでいたこともあったらしいが、結婚時は夫と舅の二人暮らしだった。

そして、結婚6か月経った時に同居していた舅が脳梗塞を発症、要介護3認定、完全車椅子生活が始まった。介護するための家を私一人でローンを組んで購入。夫は最初は熱心に介護していたが、5年くらい経った頃から様子がおかしくなり、介護うつ(?)のような状態になり、父に暴言、ちょっとした暴力が始まり、毎日「親父殺してオレも死ぬ」と騒いだ。

子育ても重なっていて、いくらメンタル最強のわたしでも参ってきた。誰にも相談できなかった。口にするのも怖かった。

自分の親に暴言を吐いたり、わざと痛いやり方で移乗させたり、パンチしたりしているのを見るたびに「やめろ」といい、それを目の当たりにしている幼い長男の心も心配だった。

なるべく、夫と舅を会わせないように気を使った。

そんなことされても舅は夫のことが大好きだった。義妹が「お父さんはニイチャンスキーだから」と真顔で言っていたのを思い出す。本当に舅は夫を溺愛していたと思う。

そんなに愛されているのに、なぜそんなことになってしまうのかと悲しかった。

介護110番という掲示板

誰にも相談できずに、家に帰ったら舅が血だらけになっているかも…と毎日ドキマギしながら玄関を開けていた。

そんな折、ネットで『介護110番』という掲示板を見つけた。介護に関する悩みを書き込むとそれに誰かが答えてくれるというものだ。

そこに今の事態を書き込んでみた。

心配してくれる人。
解決策を提案してくれる人。
夫を罵ってくれる人。
がんばっているねと励ましてくれる人。

色々な人が現れた。

そんな中、私の心にストンと落ちた返信がこれだった。

「ご主人とお父上の間には長い歴史があります。あなたとの歴史の何倍もの長さの歴史が。それはあなたにはわからないことです。今起きていることはあなたには関係のないことです。二人の問題です。あなたが悩むことではないです。二人に任せましょう」

本当に驚き、その通りだなと思った。二人の争いをやめさせようと躍起になって、思い悩んでいたが、二人の間の今まで培ってきた感情は私には計り知れない。人の痛みまで拾うことはないのだ。いくら夫婦だからといって。

そもそも若い時に妻/母を亡くし、二人でなんとかやって来たんだろう。そしてこの介護だ。

そう、私がガミガミと介入することではなかった。

そして、口を出すのを止めた。

ただ一つだけ、子どもの前ではやるなということだけお願いした。

夫がポツポツと話し出した

面白いことに、私がガミガミ言わなくなると、夫が自分の感情をポツリポツリと話すようになった。

いつもはいがみ合っているけれど、本当は父親を尊敬していること
頼っていた父が何もできなくなってしまっている様子を見るのが嫌なこと
本当は介護したくないと思っている自分がいること
自分ができないことを春野がやっているということ

そんな思いが父親に対する暴力で現れているんだと。春野も動けない自分の親を目の前にしたら、このイライラがわかるよと。

私の実父は最期寝たきりになったけど全然そんな思いは出てこなかったけどね。

介護ってね

よく介護と子育てを比べる人がいるけれど、

全然違うからね!!

私は介護が先に始まって、同時進行で子育てもしていたけれど、まぁ全く違うものですよ。

子どもは成長しますが、介護は衰えていくのを必死で止めるんです。

たまに病院とか薬局で、年老いた自分の親なんだかお姑さんだかに怒鳴り散らしている人がいるけれど、見るたびにせつなくなる。

本当はそんなことしたいわけはない。穏やかに接したいはずなんだよね。

でも、そうはできない心理がある。そして怒鳴り散らしても解決しないこともわかっている。でも抑えきれない感情がある。

やっぱり夫の気持ちはわからない

8年間続いた自宅介護は、ある朝突然終わった。

『大動脈瘤破裂』で舅はある朝突然に天に召された。本当にあっという間だった。

さっきまでしゃべっていたのに…。

当日の朝まで自分の父親を罵っていた夫が、血相を変えて救命をしようとしていた顔が忘れられない。

あんなに暴言を吐いていたのに…

二人の間のことは二人にしかわからない。

なんだかせつないけれど、それでも…

それとこれとは話が別で…

通勤1時間以上、フルタイム勤務で、ひとりで子育てと介護は辛かったんだぞ!と恨みが募っているんだよね!

そこに愛はあるか?と自問自答しながら…でも「この恨みはらさでおくべきか…」と。

この恨みつらみが私の腹筋物語に続いて行くのだよ。

夫婦の歴史はまだ十数年。これからどんな未来が待っているのは、私たちの選択次第。

とりあえず腹筋だ。

 

 

 

 

 

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