自分の価値感と違うことを自分の愛する人がやったり言ったりすると、怒りが湧くことがあります。
私は新婚当初、夫がテレビに出ている人を罵ったり、文句を言っているのがものすごい嫌悪でした。個人的に知りもしない人をなんでそこまで悪く言うんだろう?と悲しくもなりました。この人頭おかしいじゃないかな?とまで思っていました(笑)
でも、今は「そういう考えなんだな。私はそう思わないけど」と思えるようになりました。愛が薄れたわけでもなく、夫と同じ価値観を持つようになったわけでもないんですよね。
それは、自分自身が「私は私のままでいい」と思えるようになったから。家族だからって同じような考えを持つ必要もないし、それができない私をダメだと思わなくていいということです。
自己肯定感を上げていきましょうって話になっちゃうんですけどね。
今回はオンラインカウンセリングココロノマルシェへのお悩み相談に回答いたします。
同棲して二年ほどの彼氏がいます。
私の4歳上で、おっとりしてぽわんとした性格で、いつも一緒にいてくれて笑顔が素敵な彼氏です。
ただ、嫌な点がありまして、知り合いの人が「妻子がいるのに風俗に行った話」だとか、女性軽視な男性の話を笑って聞いているのです。
私の周りにはそういう男性はいなかったし、さらに私にもそういう冗談を言ってきたりして、本気で怒ったりしてしまいます。
「冗談が通じない真面目な子」と言われたりしてそっちが頭おかしいんでしょ、と腹が立ちます。
彼氏いわく、彼氏の周りや、生きてきた上で汚いものを見過ぎだからあいちゃんにはそういう話をしたりとか見せない方がいいな、と言われました。
こちらからしたらそういうことじゃなくて、そういう思考回路が信じられないという話です。
私が耐性がなさすぎるのでしょうか?
彼氏の周りの男性からそういう話を聞いたりして、人間性を疑ってしまいます。
確かに王子様願望みたいなものはあります。
生きるのがしんどいです。
アイさん
ご相談いただきましてありがとうございます。
とても素敵な彼氏さんがいらっしゃるのですね!最初の2行からその大好き感があふれ出てきて、思わず「はぁ~♡」とため息が出てしまいました。
そんな大好きな彼だからこそのお悩みですね。本当に好きだからこそ、この怒りが沸いているんだな~と思いました。
ちょっと確認ですが、彼が率先して、そういう話をしているわけではないんですよね? 知り合いの人が面白可笑しくそういう『キタナイ』話をしているのを、笑って聞いているってことですよね?
彼がそういう人たちに同意しているのかはわからないけれど、否定もしなければ、怒りもしない…のが許せないのですよね?
だって好きなんだもんということ
人って多くの場合、パートナーが近い存在になると自分と同じであることが当たり前であると思ってしまうことがあります。そうなると、自分と同じ価値観や考え方、行動までも同じでないと、「それは間違っている!」と怒りが湧いてきます。
もちろん、愛しているが故です。だって一緒がいいですもんね? 同意してほしいし、同じように感じてほしいですものね。
ただ、それを押し通してしまうと、やはり怒りが湧き、そして怒っている自分が嫌になり、ちょっとした自己嫌悪に陥ってしまいます。
そう、今のアイさんのように…「私が耐性がないのでしょうか?」と。自分が悪いのではないかと思ってしまうんですよね。
彼氏さんとは今まで生きて来た環境がまったく違います。経験してきたことも違うでしょう。ぶち当たって来た困難も、それを乗り越えた方法も違います。心に響いた言葉も違えば、尊敬する人も違うでしょう。
そんな違う人生を送って来た二人が、奇跡的に出会って、惹かれあい、今、同じ時間を共有しています。すてきなことですね。
まったく違う二人が共に生きていきたいと思った時、やはり一番必要になってくるのは『コミュニケーション』だと思います。
そのためにはまず相手を信頼することです。
誰が正しいとか間違っていると主張しはじめると、いつまでたっても平行線です。
基本的には「あなたはそう思うのね。でも私はこう思うの」という線引きです。
そうやって、お互いの違うところや考え方をすり合わせていくものだと思います。コミュニケーションと言われる色々な方法を使って。
怒りの元を探す
アイさんが怒るのは無理はないとおもいますよ。誰にでも許せないことってあります。そういうことを、自分の愛する人があたかも『肯定』したような態度をとる…。
その怒りの下にはどんな感情があるんでしょうね?と訊いてみたくなりました。
「なんで、そんなに怒りが湧いたんでしょう?」
「真面目な子と言われてけなされたと思ったのですか?」
「『妻子がいるのに風俗』がそんなに嫌な原因はなんだと思いますか?」
「そういう話に耐性を持った方がいいと思っていますか?」
「耐性を持ったらどうなると思いますか?」
「こうすべきとか、これはダメと思っていることはありますか?」
そんな質問をしてみたいなと思いました。きっとそこまで怒る理由は、アイさんの心の奥底にあるような気がします。
怒りが湧くことっていうのは、アイさんが自分自身に禁止していることです。自分が禁止しているんだからあなたも禁止すべきと思っているんですよね。
彼氏さんのその態度にイラっとするのであれば、自分の中にもその要素があって、そしてそれを嫌悪しているから、イラっとするんです。
それだったら、その禁止していることを受け入れて認めてしまった方が楽になるってことはあります。
それをどうやるかってことになるんですが、それは自分を許していくということです。
アイさんは「耐性がなさすぎるんでしょうか?」と言っています。自分を責めているようです。「自分に耐性があれば、彼にもイラっとせずにすんで、世の男性がどんなことをしていようとイラっとせずにすむのに・・・」と思っているようです。
こうあるべき!とか、これが正しい!と思っていることが多いとちょっと生きづらくなるってことあります。
これを少しずつ手放していく。許して、認めて、受け入れていく。
「耐性がない自分を許していく」「怒ってしまう自分を許していく」ということです。そんな自分もかわいいと思えるように。
そうなると、毎度おなじみの自己肯定感を上げるってことになります。
私だったら、アイさんにこんな宿題を出すかなと思います。
自分がダメだと思っていることを書き出してみる(なるべく沢山)
↓
「これだったらOKが出せるもの」を分けて書く
↓
OKが出せるものを増やしていく。
自分の中の「ダメ」の基準を下げていくっていうことですね。取捨選択をするときに「このダメはどこから来たんだろう?」と考えてみるのも一興です。
意外に「他の人の考えだった」とか「親がそう言っていたからダメだと思ってだけだった」とか「出所が分からない常識だった」ということに気づくことも少なくないです。
もちろん、無理にする必要はありません。できることから始めてみましょう。
それって愛なのよ
>>彼氏いわく、彼氏の周りや、生きてきた上で汚いものを見過ぎだからあいちゃんにはそういう話をしたりとか見せない方がいいな、と言われました。
私はこの言葉から、彼氏さんのアイさんへの愛が見えました。この世の中を変えることも、他人を変えることもできないのだったら、せめて大好きなアイさんのためにできることを言ってくれているんですよね。
これって愛ですよね? ですよね?
そうやって、自分が愛されている証拠を書き出してみるのもおすすめです。
彼氏さんへの感謝をつづる。ラブレターを書くのもいいと思います。
そうやって「自分は愛されている」ということを日々感じてみてください。
だって、アイさんは愛されているんですから!
それって最強!!
アイさんの気持ちが楽になって、もっと幸せになることを本気に願っています。
応援しています。