「逃げる」という言葉が、ポジティブなのかネガティブなのか…。
あの頃の自分は完全ネガティブワードだった。「逃げたら負け」。というか、それまで結構逃げてきた経験があって、「もう逃げないで取り組もう!」と思っていたということもあり、逃げることを悪ととらえて、我慢して、我慢して、まだできる!まだやれる!!とがんばって、がんばって…で、壊れたんだよね~。
そんな経験を前にブログに書いた。

ああ、懐かしい懐かしい。
あの時『逃げてしまった』ことが完全に昇華して「逃げてよかった上に、あの時の経験が今の私を作っている」と本気で思えるようになったのは…実はつい最近。
あの「逃げてしまった」ことに関しては1㎜の後悔もないし、本当に逃げてよかったとは思っているが、ほんの少しの澱のような感情がくすぶっていたことがある。
それは、あの時の相方から言われた言葉たちだった。
この澱のような感情をキレイにするのは…「逃げた自分を褒めて、認めてあげること」だったんだろう。
裏切者!!の衝撃
意を決して「辞める」と相方に言った時、相方は目を三角にしてこう言った。
「あんたなんか最初から信用してなかったよ。裏切者!!」と。
はぁ~~あの言葉はインパクトがあった。心理学を学んでいろいろ達観した今となっては「私があの言葉を言わせたんだな」と思える余裕はある。でもあの頃は「私は裏切者である。よってこの先一生だれからも信用も信頼もしてもらえない」という思いを潜在意識下に埋め込むのはたやすかった。
それまでも「罪悪感」は強めで生きてきたとは思う。それでこの決定打だ。
あくまでも今思えばであるが、私の持つ「劣等コンプレックス」のようなものの元をたどっていくと、たいていこの相方に辿り着く。感動を覚えるほどに…。
容姿とか…
『文章が下手』とか…
足を人様に見せられないとか…
センスがないとか…
そういうことを辿っていくと、結局相方に辿り着く。
面白いもんだなぁ。引きずるもんだなぁ~。それでもやっぱり、あの時「逃げた」ことにはまったくの後悔はない。
問題は「逃げた」後の自分の心の処し方だったんじゃないかな?と思う。
いつでも逃げられる安心感
一度ポジティブな『逃げ』を経験すると、その後の人生の自由度が変わるのではないかなと思う。
普通(この言い方は好きじゃないが他の言い方が思いつかない)は一度逃げてしまうと、逃げ癖がついて、すぐに諦めてしまったり、こらえ性がなくなったりするんじゃないか?と思うと思う。
子育て中のお母さんなんかはそう思うよね。一度始めたら最後までやりなさい!!みたいな。
でもね~経験者から言うと…そもそも我慢の種類によるんじゃない?って思うだよね。
その先に光があるかないか。これを乗り越えればウキウキわくわくすることが待っていることがわかっているという我慢はしてもいいと思う。
例えばプロゴルファーが「我慢のゴルフでした」っていうヤツ?ここでこらえれば勝てる!!みたいな感覚があるというか…。
モラハラ夫に耐える妻(逆もしかり)は、そのモラハラに耐えたらなにか素敵な未来が待っているのかどうか?がカギになるし、
パラハラ上司の元で働いて我慢に我慢を重ねたら、自分の望む出世がつかめるとかがあるなら、それは忍耐で乗り越えてもいいとは思う。
だけどさ、それを「我慢はすべき」「逃げたら負けだ」という精神論しかないなら、ちょっとよそ見してもいいんじゃないかなぁと思う次第。
がんばってがんばってがんばったけど、辞めるしかなかった経験が一度でもあると、自分の辞め時のバロメーターもわかるし、だからこそ次のチャレンジができると思うんだよね。
逃げることができた自分を褒めてあげれば、
次にやりたいことが見つかった時、とことんやれる勇気をもらえる。
「逃げることは負けじゃない。防衛だ」と言ってもらえた。
「逃げることは、自分を大切にすることだ」とも言ってもらえた。
自分を大切にすることは悪いことじゃない。じゃぁなんで自分を追い詰めるのかな?
たぶんきっと…今までの経験に「がんばらないと、我慢しないと、なにも手に入らない、誰からも愛されない」と潜在意識に刷り込まれた何かがあったんだろうね。
それは一体なんだろね?
カウンセリングで見つけることもできる
大抵は自分ではよくわからないもんだよね。
結局私はカウンセリングで掘り下げて、自分のコンプレックスが相方に辿り着いたことに笑った。
きっと、『逃げた』ことには後悔はなかったけれど、その後の心の処し方がいまいちだったんだろうな。心の片隅に「負けた感」がくすぶり続けていたのかもしれない。
もっともっと『逃げた自分』を褒めてあげて、認めてあげていたらよかったな。
あの頃の私にエールを送る。
全てを手放すのには少し時間がかかりそうだけれど、”もう既に実際の相方ではない、相方らしきの姿をした私の中の『相方』”の声が聞こえなくなるのも、もう間もなくだろうな。
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あの頃この本に出会っていたら、髪の毛も細くならなかったかな~(笑)
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