コナンくんは「真実はいつもひとつ!!」と言うが、あれは間違いである(心理学的にいえば)。実際は『事実』がひとつなのであり、『真実』はいくつもある。
事実と真実は違う。この事実と真実を違いを見ながら、日々の夫の言動について検証していくシリーズであるが、今回はちょっと思い出したので義父の言動について検証したいと思う。
事実は変わらないもの。でも真実は変えられる。
なぜ、義父はそう言ったのか、そしてなぜ私はそれに腹が立ったのか?
王様のような人だと思っていた
結婚して、夫と義父が二人暮らししていた団地に私がお嫁入した。
正直、結婚当初から『面倒くさい人』ではあった。本当にもう離婚して出ていきたいと思うほど嫌だった(笑)義父の悪口しか言わないので、友人からは「人が変わってしまった」と言われるほど目が吊り上がっていたと思う。
そんな生活にも慣れ、腹を括ったというタイミングで義父は脳梗塞に倒れ、完全車椅子になり自宅介護が始まった。
それは8年続いた。
王様は王様のままで、色々命令してくることにそれまでは「自分でやれよ」と思っていたが、もはや本当に『できない』のであれこれ世話をした。
念願の『いい嫁』にもなれたような気もしていた。それでも腹が立つことは多かった。
先日、義家族との問題のカウンセリングをしていて、あの頃の義父のことをフツフツと思い出してきた。そして、今も語り継がれる『味噌煮込みうどんねぎ事件』を思い出した。
あれも事実と真実の違いがあったのだろうと。
事件の概要
義父は王様ではあるが、声を荒げて怒るということはなかった。
王様なので、周りが自分のために奉仕するのはあたり前なので、自分の希望通りのことが起きないことが不思議に思うだけで、怒るのでなく「じゃ、そうして」とあっさり言うのである。
義父は味噌煮込みうどんが好きだった。赤味噌の味噌煮込みうどんしか食べなかった。他の味噌で作れば別に不機嫌になるわけでもなく、ただ『食べない』。
熱すぎても、ぬるすぎでも食べない。熱いものが冷めれば自分の好みの温度になるだろうと思うが、一口目が熱すぎたらそれでもう食べないし、飲まない。
そして怒るわけじゃない。ただもう口をつけないだけだった。
ある日、「味噌煮込みうどんが食べたい」というので、冷蔵庫を見たらネギがなかった。
なので、私は義父に言った。
「ネギがないんですけどいいですか?」
「いいよ~。待っているから」
「・・・・・?待っているとは?買ってこいってことですか?」
「・・・・うん?だってネギがないんだよね?待っててあげるから、いいよ」
この時、長男がまだ1歳くらいで買い物行くのもけっこう大変だった。しかもその日は車がなく、自転車でいかなければスーバーには行かれない。ネギだけのために出かけたくなかった。
私は行きたくなかった。
「ネギはなくちゃいけまんせんか?」
「味噌煮込みうどんはネギがないと美味しくないからな。大丈夫だよ、気をつかわないで。待っててあげるから」
という…。
なにかが違う…。なにが違うんだ…?
検証に入ろう
事実はこうだ。
「義父はネギがない味噌煮込みうどんは食べないので、ネギを買ってくるまで待つと言った」
である。
でも、私の中の真実は
「子どもが小さくてスーパーに行くのが大変なこの時期に、ねぎぐらいでこんなことを言ってくるなんて、私は奴隷扱いされている。かわいそうな私」
もしくは
「ネギを買いに行くくらいでこんなに嫌がっている自分って本当にいい嫁じゃないよね。嫁失格。子どもがどうのって言っているけれど、ほんのちょっとの時間なんだから義父に見てもらって身軽にさっと行けばいいじゃない。それができない私ってダメな嫁」
とか思っていたんだろうね。泣きながら自転車漕いだ記憶がある。
いずれにしても、自分の心が織りなす無価値観!!だな。
義父はたぶん「待っててあげる」というのが最大のやさしさだったんだろうね。だって、ネギがないと困るんだから。ネギがないとそれは味噌煮込みうどんじゃないんだから。
嫌味でもなんでもなく、ある意味私は義父を尊敬する。
それから数年後
こんな風にしおらしいいい嫁になりたいと願っていたころもあったが、心がやられたので、ある時ブチ切れて、『脱いい嫁』した。
そして親戚からは『鬼嫁』と呼ばれるようになり、それが私の心の解放につながった。
鬼嫁万歳!!
鬼嫁になってからも、やっぱり義父は王様だったし、私に対する態度は全く変わらなった。最後まで王様だったけれど、鬼嫁になってからの方が仲が良かったと思う。
それは私の心の問題だったんだろうね。
感謝されたい。
いい嫁と思われたい。
怒られたくない。
夫に「ありがとう」と言われたい。
役に立っていることを実感したい。
ここにいていいと思いたかった。
そんなところかな。いわゆる、ザ・他人軸!! 夫軸、義父軸、親戚軸だったんだよね。
我慢、犠牲、取引…これよ!犯人は!!
終盤は自他共に認める鬼嫁だったから、親戚からの文句も平気だったしね~。だって鬼嫁だから(笑)
いい嫁になりたいと思っている全国の悩めるお母さん『鬼嫁ノススメ』の本書いたら買ってくれますか~?
以上!!