諸事情あって、昨日から母が我が家に滞在している。母が来る時はとても緊張するのが本音。別に母との関係は良好で、悪かったこともないし、毒親でもない。むしろ母のように子育てをしたいとさえ思っている。
だからなのか、そうじゃない理由が他にあるのかはわからないが、緊張してソワソワする。
でもまぁ来たら来たで実のある話ができるのでいいのだが…(基本的にはベラベラ話さない)
で、出てきた話が驕りと卑下について。
どっちもよろしくない。なぜよろしくないといえば…
どちらも「相手が自分に与えてくれる『何か』を受け取っていない」ということだということに落ち着いた。
驕りとは…自分の才能や地位などを誇りに思い、高慢な態度を取ること
類義語で…
「傲慢」・・・驕り高ぶって人を見下す態度のこと。
「慢心」・・・自慢していい気になる心のこと。
「過信」 ・・・価値・能力などを力量などを実際以上に信じすぎること。
と言うこともある。
卑下とは…自分の価値が低いものとみなして行動にあらわすこと。
謙遜と似て非なるものをいうことは声を大にして言いたい。
自分が価値が低いものとみなすということは、相手がどんなに褒めたり、価値を見出してくれても「イエイエ、私はそんなたいそうなものではございません」と、丁寧にかつピシャリと跳ね返す。本人はそんなことを受け取れるような『価値』はないとみなしているから。
差し出した側は正直受け取ってもらえなくて残念に思うだろう。こちらも勇気を持って差し出したのにピシャリと跳ね返された。私には受け取ってもらえるほどの価値なんてないのかも?とか思っちゃってたりして…
これって美徳なのかなぁ~。
本人は気づいていなかったり、思い込んでいただけだったり
○○ハラという言葉が蔓延してしまって、個人的には使いづらいなと思っているのだけれど、基本的には○○ハラをされてもし嫌だったら「イヤだ」と言っていいとは思っている。
ただ、なんでそうとるの?と思うこともある。自分も含めて。時折、我が宇宙人夫も私を褒めてくれることはあった(過去形)。でも思い出せば、積年の恨みから「何言ってんの?」とか「それでお金出さなくてもOKと思わせるためのエサなの?」とか思っていたから、もちろん受け取らなかった。それは『取引』だと思っていたんだと思う。
もうそう思い込んだら最後、なんにも褒め言葉なんて耳に入ってこない。全部脳内変換されて「悪い意味」となってインプットされるようになってくる。
受け取ってもらえないなら、相手だって残念に思いたくないし、多少の無価値観も増やすことになり差し出さなくなる。
まぁ悪循環だね。
一回全部なしにするために
自分の話ばかりになるのが恐縮だが、昔の私の話。
自己肯定感も、自分の価値もクソもなくなっていたんだろうな。あの頃。復讐の鬼だったし。
全部リセットしたかった。でもやっぱり世間体とかね、親とかね、社会とかね、自分の「こうありたい」という願いとかね、そんな色々で離婚はできなかった。
驕りと卑下の両極端に私はいた。
こんな夫がいなくても私は経済的に豊かだ
こんな夫がいなくても子どもは健全に育てられる
こんな夫がいなくても社会的地位は守れている
こんな私が愛されるわけがないからこんなことになった
誰も私に興味あるとは思えない。夫をみればわかる。
夫がお金をくれないのは私にそれだけの価値がないからだ
まぁこんな風に振り子がブンブン激しく揺れていたんだろうな。疲れそう。確かに疲れていたんだろう。
会社の人間関係が引き金になって、プツンと切れた。なにかが。
で、夫はないものと考える『無関心修行』を始めた。今思えば『期待』『取引』『犠牲』をやめると言うことだったのかも。
やりたくないことはやらないし、なにか言われても「関係のない人に何言われても問題はない」と思う稽古をした。
半年以上続けて夫を客観的にみられるようになった。異星物として見られるようになった。だから行動言動でいちいち腹を立てなくなった。
きっと近すぎていたのだろう。無関心になってみて、遠くにいる夫は全身全体像が良く見えた。
夫をけちょんけちょんにするのはやめた。あっちがマウントするからこっちもマウントしてやるという気持ちが起きなくなった(いやまだ少しはある)。
夫婦は鏡。お互いさま。
あっマウントして来やがったと思った時点で『競争』が始まっているってことだからね。
全身全体像が見えたら、「あなたはそう思うんだぁ。なるほどねぇ」という返事がすっと出てきた。今までは会社の愚痴をなんとかしてやろうとか、正義はどっちか教えてやろうとか思っていたなぁ~とシミジミできるようになった。
能天気に感じるけれど
キュウリを庭で育てている。採れたてのキュウリはとげがある。それは知っていたけれど、時間が経てばそんなのしんなりするから気にしていなかったし、私は食べてもなんの問題もないからそのまま出していたら、夫に言われた。
「とげが痛いんだよ!塩もみのやり方知ってる?やり方知らなければ教えてやるけど?」と言われた。数年前だったら多分この言い方だけで腹を立てていた。この怒りの下には「できなかった自分」という無価値観と罪悪感があったんだろうけど。
でもちょっと能天気になってみようと思って…
「教えてくれてありがとう~。そんなこと言ってくれるなんて私愛されてるってことだよね~」と言ってみた。
夫は白目をむいていた。
白目もむくよな。
傲慢ニモナラズ
卑下モセズ
サウイフモノニ
ワタシハ
ナリタイ