さぁ泣こう!と思って泣く人ってあまりいないと思う。
「とにかくなんかわかんないけど泣きたい気分」という時はある。そんな時は『ダンサーインザダーク』と観ればもれなく泣ける。観た後の気分はその人次第だがしばらくメンタルやられることは間違いないけど。
クライアントさんでも、話しているうちに涙が出てきて「なんで泣いているんだろう?」とか「泣くつもりなんてなかったのに」とかいう人がいる。
お弟子制度でも、自分がセッションを受けているわけじゃないのに感情が動いて涙があふれることがある。いわゆる流れ弾に当たるという現象。下手したらクライアントさんより先に泣く場合もある。
その涙どっから来るのでしょうね?
その涙のふるさとを探しにいく…っていうのがカウンセリングのひとつだったりもします。
その涙はどこから来るの?
私はあまり人の気持ちがわからないので、なぜ泣いているのかわからず色々訊いてしまう。
他人がなぜ泣いているのかを即座にわかる人っていうひとが世の中にはいる。いわゆる『人の気持ちがわかる』という人。結構いる。そういう人は人の痛みも感じてしまうので辛いらしいけれど、その能力はすばらしいなと個人的には思っている。
でも、私はわからない。だから根掘り葉掘り訊く。
今、どう感じている?
今まで同じ気持ちになったことはある?
子どもの頃はどうだった?
最初にその気持ちになったのはどんな時だったか思い出せる?
あの時その気持ちになった自分自身に言ってあげたい言葉はある?
とかかな?
なかなか自分の思いを言葉にするのは難しい。なんで自分が泣いているのかわからない場合も多いと思う。
6年間の保育園生活が終わった
次男は4月から小学生。生後6か月から6年間通っていた保育園生活が昨日で終わった。本来ならばあと2日あるのだか、家庭の事情で2日早く卒業となった。
最後のホームルームで先生から「次男君は今日でみんなとお別れです」という話があったらしい。なんと子どもたちは「寂しい」とか「もっと遊びたかった」とか口々にいい、泣いている子もいたというのだ。
そして次男も言葉が出なかったらしい。
次男は保育園が辛くて「毎日が地獄だ」といっていたのにもかかわらず、何とも言えない顔をしていた。
先生方もみんな泣いていた。(私は長男も合わせると9年間通っていた)
「先生がミルクあげていたのよ~」
「おむつを替えていたのに…」
「ついこの間のことのようだわ~」
「次男ちゃんはほんと成長したよね」
「次男ちゃんの笑顔は赤ちゃんの頃から変わらない」
口々にいろんな思いを口にしてくれた。
次男はこれまたなんとも言えない顔でもじもじもじもじ…
かわいい…。
先生方の涙の理由はそれぞれで、悲しい涙もあればうれしい涙もある。このことをきっかけに「自分のこと」に触れて泣いていた先生もいるだろう。
それはわからないこと。
それでもわかったことは、次男はこの6年間沢山愛されていたってことだよね。この6年間家族ではない人たちに、こんなにも愛されていたということは忘れてしまうかもしれないけれど、それは何十年経っても変わらない。愛されていた期間があったことは変わらない。
次男はどう思った?
次男も、もじもじしながらも明らかになにかしらの感情が動いていた。
それが私は気になった。気持ちを汲んでやれないので、やっぱり訊くよね。
あああああああ~そうだよね!!言えない気持ちもあるよね!!母さんが悪かったよ!!
簡単に言葉に直る気持ちばかりじゃないよね。言葉に直らない気持ちだったんだよね。
涙のふるさとへの旅を手伝いたい
涙が出るということは、心の奥底で本当はあなたに知ってもらいたい、気づいてもらいたいをいう思いが表に出てくるということではないでしょうかね。
その涙がどこから来たのかを辿ることがカウンセリングのひとつだと思っている。
私の愛するBUMP OF CHICKENの歌に♪涙のふるさと♪という曲がある。文字通り、その涙がどこから来たのかを辿って心の内側へ旅するという内容。
涙の原因になっている傷を必死で隠して、なかったことにして、蓋をして、逃げて来たってこともあるだろう。だから涙のふるさとまでたどり着くのはちょっと辛いことだったりもする。
でもね、その旅の途中で必ず出会えることがある。ひとりじゃなかったってことに。かならずどこかで愛されていたということに。
歌詞はこちら≫≫♪涙のふるさと
そう、涙のふるさとは『よく知っている場所』なことが多い。っていうかそこ以外ほとんどないよね。痛みを感じる傷ができたその場所は。
きっとね、あなたの涙は、あなたの心の中の傷を癒したいと思っていると思うよ。
きっとその旅は簡単じゃないのかもしれないけれど、うまく気持ちを言葉にできないかもしれないけれど、その旅のお手伝いをしたいと思っています。