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言葉の力で心が癒されることはある。心と体は繋がっている【ただの日記】

もじゃもじゃ頭のカウンセラー 山本春野です。どうぞお見知りおきを。人間距離(じんかんきょり)を程よく守って、沈めてしまった本当のあなたを見つけるお手伝いをしています。

36.9度の熱で夫が会社を休んで3日目。別に喋るでもなにかするでもないんだけど、その存在がうるさくて、なんかいろいろ集中できません(笑)

さて、今日はトイレでふと頭に舞い降りた思い出話をしようかと思っております。

心理学セミナーとかに行くと「思い込みであることに気がつきましょう」とか「その自分ルール自分を狭めていますよ」みたいな話を聞くことがある。

あるある。確かにある。

「こうしないと○○だから」という経験や今までのなんだかんだで自分の枠を決めてしまう。パートナーや身近な人がそのルールを守らないとイラっとしたり、自分がダメみたいな思いにかられることがある。ない?

だから「思い込みや自分ルールを手放しましょう」っていう話になる。

うん、素晴らしい。私もそういうことを少しずつ手放していって、楽な生き方に足を向けられるようになったのよね。

さて、この思い込みって使いようによってはいいこともあるのよ。

要は「脳に思い込ませる」ってことだから、いいことを思い込ませれば何かの執着や思い込みを手放せることもあるってことなんだけどね。

義父の歯痛がひどかった

結婚してすぐに同居の義父が脳梗塞で倒れ、以来完全車椅子になった。

脳梗塞の後遺症には麻痺がメインだと思うけれども、いろいろな症状が出ることがある。

義父は入れ歯をしていなくて、治療歯はあれど歯に関しては健康だったと思う。

なのに、猛烈な歯痛に悩まされるようになった。

いくら調べても虫歯は見つからない。どの歯医者に行っても、レントゲンを撮っても、わざわざ大学病院に行っても「虫歯はありません。問題ありません」という返事しか返ってこない。

でも、痛みはひどくなるばかり。

しきりに歯痛を訴える義父。痛み始めると体を震わせて本当に痛そう。かわいそう。

夫は「大学病院まで行って問題ないって言われてんだから気のせいだ!!」と言って取り合わない。

多分、脳梗塞の後遺症だろうと言われた。それは分かる。それは何度も聞いた。

「虫歯も歯周病もない。脳梗塞の後遺症だから」と。言ってみればどうしようもない。

シュミテクトを塗りたくってなんとか凌いでいたが、体を震わせて痛がる義父を見るのは結構辛かった。そして「なんとかしてくれ」と言われるのも辛かったし「ヤブ医者め!」とお怒りの姿を見るのも辛かった。

救世主が現れた

いろんな歯医者さんにかかった。とはいっても車椅子なのでホイホイいろいろ診察に行けるわけでもない。

デイサービスに来てくれる歯医者さんに診てもらったり、訪問歯科に来てもらったり…。

ある時「訪問歯科始めました」という新しいチラシをデイサービスの施設で見つけた。

一回見てもらおうと早速予約をした。

私と同年代くらいの歯医者さんがやって来た。とても感じのいい人で、気むずかしい義父もあとで文句をまき散らかさなさそうだなと思ったのをよく覚えている。

前もって事情は説明してあった。どこで診察しても問題は見つからないのに、激しく痛がることを。

やって来るなり、先生はとても明るく話し始めた。

わ~素敵なお家ですね~。お嫁さんと一緒に暮らしていらっしゃるんですね。わ~お孫さんも?2人もいらっしゃるんですか~。かわいいでしょ?幸せですね~!!いや~うらやましいです。この部屋もとても明るいですね。立地がいいのかな。日当たり最高じゃないですか!毎日ここが定位置なんですね。あ~庭が見えて気持ちがいいですね~。あっ猫ちゃんもいるんだ~。猫ちゃんが一緒にいると寂しくないですよね。わ~本当にいい環境でお暮らしなんですね!!いや~これはいい!!

と、話始めた。歯の話はどこいった?と思ったが、義父も顔がどんどん緩んでいくのが分かった。

口の中を丁寧に見て…

綺麗に磨かれていますね~。本当に丁寧だ。入れ歯もないんですよね。素晴らしい!!痛いのは左側ですか?ここかな~?う~ん…そうかぁ~何度も説明は受けているとは思いますが、見えるところが痛いわけじゃないと思うんですよね。皮膚の下って言うか…でもこの痛みはそのうちなくなると思いますよ~。こんなにちゃんと歯を磨いていて、口の中を清潔に保っていますから~。何よりもこんなすてきなお家で、2人のお孫さんに囲まれて、猫ちゃんもいて、お嫁さんがあれこれやってくれていたら、痛みが和らぎますよね~。
でも、痛くなったらすぐに僕を呼んでください。すぐにですよ。電話をもらえれば飛んできますから!!大丈夫ですよ。安心してください。痛くなったらすぐに来ますから!!車ですぐですから!!

と明るく言ってくれた。

横で聞いていた私が泣きそうになった。

義父も私も歯痛にずっと悩まされていたから。

そして、その日以来、義父の歯痛はぴたっと止まった。
先生に電話することもなかった。

魔法のようだった。

言葉のエネルギーは素晴らしいと思う

歯医者の先生のおかげで脳梗塞の後遺症が治ったわけではないと思う。義父が痛くないのに痛いと嘘をついていたとも私は思っていない。

ただ、今ままでの歯医者さんは「気のせい」みたいな言い方をする人が多かった。だって、口の中には問題がなかったんだから。

歯医者の先生がわかっていてああいうことを言ったのか、本当に素で言っていたのかはわからない。

でも、言葉が痛みを取ってくれたと私には思えた。

「誰も信じてくれない」みたいな思いが義父にはあったんじゃないかな?と思う。
正直私もうんざりしていたし。

歯医者の先生は歯の話はほとんどしていなかった。

ただただ「あなたは幸せですね」ということを何度も何度も繰り返していた。

言葉にパワーがあった。エネルギーがあった。愛があったと思う。

「言葉は思いにいつも足りない」

だけど、言葉で救われることはある。
言葉にエネルギーをもらえることはある。
言葉でいい思い込みを得られることもある。

体と心はつながっている。
病は気から。

言葉には力がある。

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