りかさんと浩二さんの結婚までのストーリー。
話しは遡って、初デート(私だったら結婚しない第1話)の浩二さん側の動きを追いました。
言葉で言わなきゃわからない。言葉で言ってもわからないことがある。
だから思いはすれ違う。
前回までのストーリー↓
私だったら結婚しない 第1話
私だったら結婚しない 第2話
私だったら結婚しない 第3話
私だったら結婚しない 第4話
浩二さんとりかさんの結婚までのストーリー5。
5
さて、弁当だ。弁当って言ったら唐揚げだな。オレの得意料理だし。お母さんが唯一教えてくれた料理。ネギダレが美味しいんだよな~。もう他の料理とかおぼえてないけど…。この唐揚げはよく覚えているんだよね。りかちゃんにも教えてあげよう。
鶏肉あるかな~。あれ、鶏肉ないな。買いに行かないと。
さて、スーパーに行こう。
んっ?着信だ。りかちゃんだ。どうしたんだろう?
「もしもーし。どしたの?」
「どうしたの?もう観覧車のところにいるんだけど?場所わからない?」
あれ、なんか怒ってる?なんで怒っているんだろう?時間に遅れているからかな?
「ああ、今ねスーパーに行って鶏肉買ってきたところ」
今からスーパーって言ったらもっと怒りそうだから、もう買ってきたことにしよう。
「なんで鶏肉なの?」
唐揚げだからだけど、なんでそんなことを聞くんだろう?なんて答えればいいんだろう?よくわからないけど…。
「お弁当に唐揚げを入れようと思って」
他に答えようがないな。お弁当と言えば唐揚げだし、鶏肉がなかったから買いに行くのはあたりまえだし。
「いや、なんで今この時間に鶏肉を買いにいくの?待ち合わせ時間過ぎてんだけど?」
怖い…怒ってる。やだな。なんて言えばいいのかな。早く来て欲しいってことかな。なんて答えれば怒りがおさまるのかな。
「ああ、そうだよね。急ぐから。あと30分くらい?」
なんとか怒りがおさまるかな。あと少しって思えば怒りもおさまるよね。
りかちゃんが喜ぶようなお弁当にしたかっただけなんだけどな。昨日残業で遅くなっちゃってスーパー閉まってたし、今日寝坊しちゃったし。
かっこいいお弁当作って「すごーーーい!」って言われたかっただけなんだけどな。
デートは緊張するから、昨日よく眠れなかったしな。
よし、遅刻は美味しいお弁当で挽回だ!丁寧に作るぞ。
きっと、りかちゃんも寂しいだろうから、詳細をメッセージで送れば怒りもおさまるかな。
今、下味付けてる
小麦粉まぶしたよ
油の温度が上がった
丁寧に作っていることが伝わっているかな~。1から作っているってわかってくれるかな。すごーーーい!って思ってくれているかな。
ごはんものり弁にしよう。お弁当でのりがのっているとテンション上がるしな。りかちゃんもきっと「わーいのりがのってる~」って言ってくれるよな。
よし!できた!!
慌てる乞食は貰いが少ないっていうからな。急いだってしょうがないし~。
前の彼女はこうやって丁寧にしていても、結局浮気して出て行っちゃったからな…。
「私に興味ないんでしょ」って何度も言ってた。そんなつもりはないんだけど。なんでそう思ったんだろうな。
わからないけど、そう思いたかったのかな。そう思わせるつもりはなかったけど。確かにドタキャンも遅刻も何度もしちゃったしな。
でも、そういうつもりはなかったんだよな。一度にいくつものことができなかっただけで。それができないのはどうしようもないし。
りかちゃんはそれがわかってくれるだろうか。
そう思うのはオレのわがままなのだろうか。
女心はわからんもんだな~。
お母さんがオレが大人になるまで生きていたら、女心もわかるようになっていたのかな。
さて、行こう。
(つづく)
男の人はただ「ヒーロー」になりたいだけらしいですよ。
美味しいお弁当を作ってりかさんに「美味しい!すごい!」と言われたかっただけ。
最初はそれだけだったのに、それが叶わないとなるとどうなっちゃうんでしょうね。
叶ったとしても、近づけば近づくほど離れなくなる心理が隠されていることもあるもんで。
*********
ただいま、LINEでお友達追加していただけると、無料で1往復無料お悩み相談承り中です!
「かっこいいこと言いたくなった」時に「かっこいい風」の言葉が送られてくることも!?
